高齢化、人口減少、社会保障費の増大、人手不足などの日本が抱える問題について政策提言をしている本。
主張の大半にはエビデンスとなる経済学等の論文があり、主張の説得力は高い。
主張の大筋は東洋経済の著者の連載を見れば大体同じことが書いてあると思う。

・社会保障制度の存続のためには税収の確保が必要
・税収増には"増税"と"徴税対象の所得増加"があるが、"所得増加"を目指すべき
との主張。
そのために最低賃金を上げよという主張がこの本の中で大きい。
他の「日本は輸出大国ではない。輸出を増やせ」「日本の大人、特に経営者に教育を施せ」などの主張もかなり重要ですが。
ちなみに最近話題になっている移民政策には明確に反対の意見を述べています。
ジム・ロジャースとは反対の立場ですね。

ちなみに
・最低賃金が上がれば失業率が上がるのではないか
という、古典的な労働市場モデルによる反論には
「労働市場はかなり非効率であり、そのようなことは無い」と反論しています(エビデンスあり)

私は日本の将来には悲観的な見方をしている立場ですが、この本の政策をきちんと実行できれば特に日本の将来を悲観する必要は無いなと思いました、
ただ、国会運営や今まで行われた政策を見ると絶望的になりますが、、、