私は集中投資をしておりますので、分散投資に特に魅力は感じていないのですが、なぜ世間一般では分散投資が金科玉条のように語られるのか少し考えてみました。

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分散投資の根拠となっている理論はCAPMやらの理論ですが、これらの理論は完全に「機関投資家用」の古典的な理論です。
そして、古典的な機関投資家の投資法には以下の制約があります。
1:買いポジションしか持てない
2:常に資金の100%近くを投資しなければならない
3:頻繁な回転売買は禁止
4:TOPIXやS&P500などのインデックスに負けることは許されない
5:資金量が数百億円~数兆円など

はっきり言って上記のようなガチガチの制約があれば、リスク管理の方法として「分散投資」以外に出来ることはありません。
ですので、機関投資家たちは自分たちの投資法が正当性を持つという言い訳のために「分散投資」を金科玉条にし、それが業界の慣行になったと思われます。
その業界の慣行、言い換えればある業界の狭い範囲でのみ通用する常識が、なぜか一般世界の常識になっているというのが現在の投資環境の悲劇かと思います。


私はそのような制約に囚われずに売りポジションも持ちますし、資金の半分を現金に退避することもあります。
それが裏目に出ることもありますが、資金量が小さいために好きなタイミングで損切や新規注文を出すことができます。
ですので、裏目に出た場合の傷も浅くて済みます。

もちろんプロの中に業界慣行に異を唱えている人たちもいます。
例えば、ウォーレン・バフェットは典型的な集中投資家です。
「集中投資は富を築く」とも言っています。
ウィリアム・オニールも集中投資を勧めています。
ピーター・リンチもむやみに保有銘柄数を増やすことには警鐘を鳴らしています。

上記の偉大な投資家たちも投資銘柄への調査に時間が取れない等の理由があれば、コストが安くて、よく分散された銘柄を保有する投資信託を買って放置しておいた方がいいと主張しています。
ですので、本当に時間の取れない人はインデックス投資を行えばよいと私も思います。

しかし、インデックス投資家のブログを読めば、インデックス投資家は時間がないどころか、
インデックス投資や世界経済について時間をかけてよく勉強し、それをさらにブログという文章にしてアウトプットする時間まで取れている事が分かります。
彼らの投資に対する情熱がなぜインデックス投資以外に向けないのかが私は不思議でたまりません。
インデックス投資は単なる金儲けの手段であると思うのですが、インデックス投資を行うこと自体が目的化しているような人も多少いるように思われます。

まぁ、別に人の投資行動などどうでもいいっちゃどうでもいいんですが、
「市場参加者は合理的である」
との論者であるインデックス投資家がなぜ非合理的な行動を取るのかというのが、哲学的問題として個人的には興味があります。