インデックス投資の名著にはだいたい次のような事が書いてあります。
「値動きのみで投資判断を行うチャート分析は役に立たない(市場平均以上の超過収益を得られない)」
と。
これを真に受け、インデックス投資家を自称する人達は
「チャート分析は役に立たない」、「インデックス投資の方が有効」などと結論付けます。
私は「チャート分析が役に立たない」と言う結論には特にケチをつけるつもりはありません。

しかし、「値動きのみ」を投資判断の基準に置いているのはチャート分析だけではありません。
実はインデックス投資の根拠となるモダンポートフォリオ理論 では、ポートフォリオ構成のパラメータとして用いる
期待リターン(平均値)、リスク(標準偏差)、相関係数、ベータといった数値を、全てリスク資産の「値動きのみ」を以って計算しているのです。


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期待リターン(平均値)は過去のリスク資産の価格推移から算出していますし、
リスク(標準偏差)も過去のリスク資産の価格推移から算出しています。
相関係数も2つのリスク資産の値動きのみから計算しています。
そして、「値動きのみ」から得られた指標をいろいろ数値変換を行ったり、無リスク資産という前提を置くなどして、
「市場ポートフォリオが有効なポートフォリオである」
という結論を導き出しています。

対するチャート分析では
値動きというデータから(値動きだけでなく出来高データを用いているチャート分析のテクニックもあるようですが)
乖離率、移動平均線、モメンタム、フィボナッチ、エリオット波動、ウィリアムズ%Rなどなどの指標を導き出しています。
そこからいろいろな検証を行ったうえで
「チャート分析は有効な投資手法である」
という結論を導き出しています。


両方の意見を比べてみましょう
モダンポートフォリオ理論の結論では
「値動きから計算された指標(平均、標準偏差等)を用いて有効なポートフォリオ(効率的フロンティア)が導ける」
チャート分析の結論では
「値動きから計算された指標(乖離率、ウィリアムズ%R等)を用いて有効な売買戦略が導ける」

要するにどちらの理論も
「値動きというデータから得られた指標を用いて、なんらかの有効な投資手法が存在する」
という事を言っているに過ぎないのです。
ここでいう「有効な」とは、「市場平均を超過するリターンを得られる」という意味ではなく、
「あてずっぽうよりはマシ」ぐらいの意味に捉えてもらいたいと思います。

上の結論を見ると、違っているのは、どの指標に着目するかという事と、導くのが有効なポートフォリオか有効な売買戦略かというだけの話なのです。

こう考えると、インデックス投資だ金融工学だと偉そうに言う人達も結局チャート分析と同じ土俵に立っているだけと言えます。

むしろチャート分析の方が
「時々刻々と指標は変化している」という認識を行っているだけマシな感じです。
モダンポートフォリオ理論では
「長期的に見て信頼性のある期待リターン、標準偏差というのが存在する」
という立場から、ゆるぎないポートフォリオを組もうとしている思想なので、理論の柔軟性に欠けると思われます。

私はどちらかというとチャート分析の方を信用しています。
なぜならば、インデックス投資はロングオンリーに対して、チャート分析ではショートポジションも取れるという、選択肢の多い売買戦略だからです。

ちなみに私はチャート分析の勉強は全く行っていないので、本記事に間違いなどがあればご指摘をお願いします。