私は一応バリュー投資家を自認しています。
そのため、四季報のスクリーニングでは低PER、低PBR銘柄等を発掘するようにしています。

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低PER、低PBR銘柄を探していると、万年割安銘柄や万年ジャスダック銘柄を良く発掘します。
投資を始めた頃は、こういう銘柄を見つけた時に
「すごい銘柄を見つけた。この割安状態が見直されれば株価3倍も夢じゃない!」
とか思っていました。
しかし、実際に投資してみると割安銘柄がさらに割安になって損をしたり、
3年ほど待ってみても割安が全く解消されないまま、マーケット全体は上がっていて置いてけぼり、という事がしばしば起こりました。

なぜこのようなことが起こるのか当初は理解に苦しみましたが、今は理由がなんとなく分かりました。
万年割安銘柄がその価値を見直されない理由は
「利益成長」
がほとんどないからです。
万年割安銘柄の事業内容を見ると、
「堅実」である場合が多いです。
別に堅実なのが悪いというわけではないですが、
「利益成長」の夢を見させてくれるような事業内容でない場合が多いです。
このことに気付いてから、割安銘柄を発掘してもそれだけの事では喜ばず、事業内容を自分なりに勉強し、成長性があるかどうかを吟味するようになりました。
そうしていくと割安銘柄の中には、「堅実」と「利益成長」を両立している素晴らしい企業があるものの、その数は非常に少ないということに気付きました。

さて、万年ジャスダック銘柄も万年割安銘柄と似たようなところがあるのですが、
万年ジャスダック銘柄が抱える大きな問題として、「経営者に成長しようという気がない」という事が挙げられます。
上場企業の経営者たるものは企業成長を通じて、創業者利益と株主利益を最大化するということを目標として欲しいものですが、
「ジャスダックでもマザーズでも上場するのがゴール」
みたいな意識を持った経営者が存在するのも事実です。
もちろん経営者に真意を聞いたわけではないので、実際のところは分かりませんが、そうとしか思えない場合があります。
実際、そういう会社の株主構成を見ると、創業者一族と会社の持ち株会で発行済み株式数の半分以上を占めている。
などということがあります。
要するに同族経営から脱却して、近代経営を行い、利益成長してゆくゆくは東証1部に上場しようなどと考えていないということです。
こういう企業に対して
「割安だから」という理由だけで投資すると、大体が大したリターンを稼げない結果に終わると思います。


ただ、万年割安銘柄、万年ジャスダック銘柄でも、あるニュース等で大化けすることもあります。
私が昔保有していた銘柄に石原薬品(証券コード4462)があります。
これも万年割安銘柄で、目立たない銘柄でしたが、何年も地道に研究を進めていたのでしょう。
画期的な導電性銅ナノインクを開発したというニュースで急騰しました。
私が石原薬品を保有していた5~6年前にはプラスのニュースは何もなく、
「石原薬品が保有している株の評価損がすごい事になった」
みたいな悪いニュースしかなかったので、ずっとホールドしている人達の事をなんとも羨ましく思います。