長期投資を推奨する本には、


「株式投資の長期平均リターンは10%!」


「10%の利回りで複利で資産運用を行うと、あなたの退職する30年後にはすさまじい金額になっています」


「だから若いうちから長期的な考えで投資しましょう」


みたいなことが書いてあります。





長期平均リターンの算出例はこうです。


1年目 +21%


2年目 +3%


3年目 -21%














とりあえず3年目までの平均リターンは (21+3-21)/3=+1%です。





では、資産100万円から初めて、3年目にはどうなっているのでしょうか。


1年目 100万円*1.21=121万円


2年目 121万円*1.03=124万6千円


3年目 124万6千円*0.79=98万4千円





平均リターンはプラスなのに、資産は最初の100万円から減っています。


いろいろな計算をしてみると分かりますが、平均リターンが30%超であっても、最終リターンはマイナスということがあり得ます。


ですので、「長期投資における平均リターンはかならずプラス」が正しいとしても長期投資が資産形成に有効な手法であるとは限りません。





また、リターンのぶれ(ボラティリティ)が大きく、マイナスのリターンが発生する投資に関しては複利効果は発現しないというのが正解です。


長期投資による複利効果というものは、全ての投資期間のリターンがプラスのものだけに限って発現します。





なお、単純な年次リターンの計算式((1年後の資産総額/基準日の資産総額)-1)*100% でリターンを計算すると、上のような問題が発生しますが、


対数リターン log((1年後の資産総額/基準日の資産総額))でリターンを計算すれば上のような問題は発生しません。

















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