インデックス投資家からの脱却 (アンチインデックス)

インデックス投資を嫌うブログ主による駄ブログです。

2018年04月

半分ちょいしか読んでいないが、かなり良い本だと思われる。
本の著者は「ロボットは東大に合格できるか」というプロジェクトに本格的に携わった数学の研究者。
研究者としての真摯な態度が本文中の文章に遺憾なく発揮され、そんじょそこらの人工知能関連書籍とは一線を画す内容になっていると思います。
買って損はなかったと思います。


以下、内容の紹介。

東大合格を目指すプロジェクトの中で気づいたこと並びに数学者としての知見を基にした著者の主張としては以下のとおり
AIへの過大評価やバスワード化が発生している現時点の状況に対する批判として、
・シンギュラリティは来ない(計算能力とかCPUパワーとかそういう問題ではなく、量子コンピュータでも無理)
・今世間で騒いでいるAIは「真の意味でのAI」ではない
・AIに搭載されてできることは限られていて、論理式の計算、確率や統計を基にした選択だけ
・AIで行っている自然言語処理は、AIが言葉の意味を理解しているわけではない(であるから、自然言語処理能力の劇的な進化はかなり難しい)

以上、AIの能力は限定的だという見方にも関わらず、現実的に持った危機感は以下
・以上の限定的な能力しか持っていないが、MARCHレベルなら合格可能。(大学受験者の上位20%程度の位置)
・問題文の意味が分かっていないAIが暗記と過去問データ等を基にした回答を行っているが、現実の受験者もそのように回答していることが案外多い(人間でも問題の意味が分かっていない奴らが予想以上に多い)
・意味が分からなくても案外正しい答えが出せるAIやロボットの活用範囲が広がるため、定型的業務を行うホワイトカラーの職は脅かされる可能性が高い。(意味が分からなくても遂行可能なホワイトカラー職種の危機)
→私見 現状でも経理処理を行っているおばはんとかは、会計の本質的な意味は分かっていなくても仕事は遂行できているはずです。そういう職種は代替されると思います。(というか、既にされている?)

・AIやロボットには複雑な単純作業(冷蔵庫をあけてジュースを取り出すとか)に従事する低賃金労働者と、AIに与える業務の設計、運用、AIに与えるデータ構造の設計等の知的作業を行う労働者で2極化するのではないか。

という内容です。

私自身はデータ構造の設計とか、出てきた分析結果の解釈とか、AIには多分難しい領域の仕事をこれから行うのであまり危機意識はありませんが、将来的には著者の書いたことに近いことが起こるだろうなぁと思いました。
今の会社で経営陣と話す機会もありましたが、経営陣はどんどんIT化を進めて人手を削減したいという方向で考えていることが分かりました。(実店舗無くしたいとかそういうレベルのことをすでに考えている)
確かに顧客獲得チャネルがWEB主流になっているので、その流れには逆らえないと思います。
私のやっている職種にもっと社内で光が当たって年収上がらないかなぁ、、、、
データ分析業務を
「パソコンでポチポチボタン押してれば数字が出てくる楽な仕事」ぐらいにしか思っていない人も多く、理解されるのは難しいと思っています。
データ分析結果を出す前の基礎知識として、線形代数、微分積分、DB構造の理解、実業務の背景理解とかいろんな事が求められるのですが(愚痴)


小売、メーカー、金融機関、マスコミ、ECサイト等々の色々な業種やサービスでデータ分析が行われていると思いますが、私の少ない経験と同期など実際に接した人からの情報を元にデータ分析界隈の事情をとりとめなく書いていこうと思います。
 
データ分析業務はおおまかに以下に分類されると思います
1:経営層への意思決定に関与するデータ分析
2:規各種制に対応するデータ分析(銀行の自己資本規制比率とか、薬事関連の副作用発生データとか)
3:アンケートなどのマーケティングリサーチ分析の専門会社、専門部署(要は下請け)
 
・スキルのつきやすさ
会社にもよりますが
2>1>3
マニアックな分析があり得るのが2(業界独特の考え方があったり)
とくに薬事関連は「医学統計」という専門の学問分野があり、その考え方はマーケティング等ビジネス全般に活かせる場合があります。
ただし、2は規制ルールに従うので業務がマンネリ化しやすいです。
2でマニアックなスキルを身に着けたあとに面白い&給料の良い業界に行くのがベターか?



・仕事の面白さ
1>2≧3
自分の部署から発信されたデータ分析結果をもとに、経営者が経営判断をして、その施策が成功した場合などは醍醐味を感じるでしょう。
また、経営層に近いほど扱うテーマも多岐にわたります。
すぐに思いつくだけで顧客分析、損益分析、リスク分析、数字をもとにした経営シミュレーションなどがあります。

また、経営層に近い社内で行うデータ分析の場合、クソうるさい外の顧客が存在しない事も利点として挙げられます。(その点、2は間違いなく規制当局がウルサい。3はクライアントによるがクソ面倒くさいクライアントがほとんど)
しかし経営層に近い場合はメリットばかりではありません。
以下のデメリットがあります
・経営層からの無茶振りがある
→そんなデータねぇよ、そんな目的でデータ蓄積してねぇからデータ加工にめっちゃ時間かかるよ!一週間以内とか言っても無理!とかそういうの
・他部署のデータをもらうために社内調整が必要
→営業関連データ(新規顧客件数とか)は営業本部に提供依頼をするが、渋られるとか。そこは渋るところじゃねーだろと、、、
あとは責任取りたくない社内情報システム部が延々とデータ提供しない言い訳を述べるとか(セキュリティがー、個人情報保護がー etc)

・データ基盤の使いやすさ
2≧3≫1
規制対応の場合はきちんとしたデータを集めていないと、下手すると行政処分もあり得るのでデータそのものがきちんとしてる場合が多いです。
1の場合、「データを経営に活かそう」という考え方が広まる以前に構築された業務関連システムからのデータが多く、前処理にとてつもなく時間が取られることが多いです
3の場合はクライアント次第。まともな担当者がきちんと設計したアンケートなら使いやすいですが、適当に作ったアンケート用紙になると目もあてられない状況になることも、、、
最近はそういう事はあまり無いみたいです。

以上、適当に書いてみました

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